2013年8月8日木曜日

80.自給自足

○老子の原文を道具として解釈したもの

 人が安心して集まる所は、広さに適した人
数がよく、争いになるような道具は使わない。
 そんな所なら、命をかけてまで他には行か
ないものだ。
 船や車には乗る機会がなく、武器も使う機
会がない。
 自分のできることは自分でする。
 そこにある食べ物を食べ、そこにある服を
着て、そこに住み、生活を楽しむ。
 すぐ近くに他人が住んでいても干渉はしな
い。


○老子の読み下し文

 小国寡民(かみん)、什伯(じゅうはく)の器
ありて用いることなからしむ。
 民をして死を重んじて遠く徒(うつ)らざら
しむ。
 舟輿(しゅうよ)ありといえども、これに乗
る所なく、甲兵ありといえども、これを陳(つ
ら)ぬる所なし。
 人をしてまた縄を結びてこれを用いる。
 その食を甘しとし、その服を美とし、その
居に安んじ、その俗を楽しましむ。
 隣国相望み、鶏犬の声相聞こえて、民老死
に至るまで、相往来せず。


○老子の原文

 小国寡民、使有什伯之器而不用。
 使民重死而不遠徒。
 雖有舟輿、無所乗之、雖有甲兵、無所陳之。
 使民復結縄而用之。
 甘其食、美其服、安其居、楽其俗。
 隣国相望、鶏犬之声相聞、民至老死、
不相往来。

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