○老子の原文を道具として解釈したもの
武器は緊急時に使う道具。
扱いにくいものだ。
普通の感情では使えない。
人は普通、左手は補助にし、右手で道具を
使う。
武器は補助する手で使うような道具。
まれにしか使えない。
運良く使えても、誰にも使っているところ
を見せられない。
もし見られると破滅する。
これが知られると、それと同じ災いが自分
にふりかかるからだ。
普段から左手は使わず、右手だけを使うよ
うにする。
左側に道具は置かず、右側に道具を置く。
いつも普段と変わらないようにする。
いざとなったら親しい者を裏切ることにな
るからだ。
武器を使い終われば、何事もなかったよう
に振舞う。
○老子の読み下し文
それ兵は不祥(ふしょう)の器なり。
物或いはこれを悪(にく)む。
故に有道者は処(お)らず。
君子、居ればすなわち左を貴び、兵を用う
ればすなわち右を貴ぶ。
兵は不祥の器にして、君子の器に非(あら)
ず。
やむを得ずしてこれを用う。
恬淡(てんたん)を上となし、勝ちても美と
せず。
もしこれを美とする者あらば、それ人を殺
すを楽しむなり。
これ人を殺すを楽しむ者は、すなわち以て
志を天下に得べからず。
吉事は左を尚(たっと)び、凶事には右を尚
ぶ。
偏将軍は左に居り、上将軍は右に居る。
喪礼を以てこれに処るを言うなり。
人を殺すこと衆(おお)ければ、悲哀を以て
これに泣(のぞ)む。
戦い勝てば、喪礼を以てこれに処る。
○老子の原文
夫兵者不祥之器。
物或悪之。
故有道者不処。
君子居則貴左、用兵則貴右。
兵者不祥之器、非君子之器。
不得已而用之。
恬淡為上、勝而不美。
而美之者、是楽殺人。
夫楽殺人者、則不可以得志於天下矣。
吉事尚左、凶事尚右。
偏将軍居左、上将軍居右。
言以喪礼処之。
殺人之衆、以悲哀泣之。
戦勝以喪礼処之。
0 件のコメント:
コメントを投稿