2013年7月13日土曜日

54.樹を観る

○老子の原文を道具として解釈したもの

 木の根が張っていれば倒れにくい。
 木の中に殖える能力があり、どこからでも
成長する。
 だから世話をしなくても絶えることがない。
 この力があれば耐えられる。
 この知恵があれば利益が得られる。
 これを継承できれば長続きする。
 これを守れば災いを防ぐことができる。
 これを広めれば争うことはない。
 これがそれぞれ実現できているかを調べる。
 そうすれば世の中のことが分かる。
 手本は身近にある。


○老子の読み下し文

 善く建つ者は抜けず。
 善く抱く者は脱(お)ちず。
 子孫以て祭祀して輟(や)まず。
 これを身に修むれば、その徳すなわち真な
り。
 これを家に修むれば、その徳すなわち余り。
 これを郷に修むれば、その徳すなわち長く。
 これを邦(くに)に修むれば、その徳すなわ
ち豊かなり。
 これを天下に修むれば、その徳すなわち普
(あまね)し。
 故に、身を以て身を観、家を以て家を観、
郷を以て郷を観、邦を以て邦を観、天下を以
て天下を観る。
 吾、何を以てか天下の然るを知るや。
 これを以てす。


○老子の原文

 善建者不抜。
 善抱者不脱。
 子孫以祭祀不輟。
 修之於身、其徳乃真。
 修之於家、其徳乃余。
 修之於郷、其徳乃長。
 修之於邦、其徳乃豊。
 修之於天下、其徳乃普。
 故以身観身、以家観家、以郷観郷、
以邦観邦、以天下観天下。
 吾何以知天下然哉。
 以此。

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