2013年7月14日日曜日

55.幼稚

○老子の原文を道具として解釈したもの

 生まれたては守られる。
 どんな生き物も自分の子孫は守ろうとする。
 生まれたばかりのときは、自然に身を任せ
る。
 だけど生きるための能力は備わっている。
 だから育てられる方法を知っている。
 その方法が生命力であり、精神力になる。
 生命力はどうすることもできないが、精神
力は鍛えられる。
 これらには寿命がある。
 どうすることもできない。
 無理をすれば失う。


○老子の読み下し文

 徳を含むことの厚きは、赤子に比す。
 蜂、タイ、キ蛇(だ)も螫(さ)さず、猛獣も
據(つか)まず、攫(かく)鳥(ちょう)も搏(う)
たず。
 骨弱くし筋柔らかくして握ること固し。
 いまだ牝牡(ひんぼ)の合を知らずして、さ
い作(た)つは、精の至りなり。
 終日ないて嗄(こえか)れざるは、和の至り
なり。
 和を知るを常と言い、常を知るを明と言う。
 生を益すを祥(わざわい)と言い、心気を使
うを強と言う。
 物は壮なれば、すなわち老ゆ。
 これを不道と言う。
 不道は早く已(や)む。


○老子の原文

 含徳之厚、比於赤子。
 蜂タイキ蛇不螫、猛獣不據、攫鳥不搏。
 骨弱筋柔而握固。
 未知牝牡之合而サイ作、精之至也。
 終日号而不嗄、和之至也。
 知和曰常、知常曰明、益生曰祥、心使気曰強。
 物壮則老。
 謂之不道。
 不道早已。

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